インターネットの爆発的普及、クラウドコンピューティングの浸透、スマートフォンなどのデバイス多様化、事業継続性確保への取り組みの進展など、近年急速に発展する情報化社会において、ITのメリットを生かして企業価値の維持向上を図ると同時に、情報セキュリティー戦略の遂行が企業経営において極めて重要になっています。
　我が国の経済の新陳代謝を促し新たなビジネスモデルの創成や生産性向上を図るうえで、諸外国に比べ格段にICT投資が少ないことが足かせとなっているといわれています。情報セキュリティー対策を、従来の対症療法的なアプローチから企業価値を高めるための戦略的な投資対象として位置付けることで、広く経済全体の活性化に寄与するものと考えられます。
　本シンポジウムでは、情報セキュリティー分野における先進的な取り組みの紹介を通して、次なる組織における戦略に情報セキュリティーをどのように生かすべきかを議論します。

10:00～10:30	「情報セキュリティーの現状と国としての取り組み」
	講師：江口 純一 氏 （経済産業省　商務情報政策局　情報セキュリティ政策室長）
10:30～11:15	「サイバー攻撃と今企業がとるべきセキュリティ対策」
	講師：ショーン　ドハティ 氏 （シマンテックコーポレーション　エンタープライズセキュリティ事業部　 技術統括バイスプレジデント・チーフテクノロジーオフィサー）
11:15～12:00	「事業継続と情報セキュリティー」
	講師：伊東 千秋 氏 （株式会社富士通総研　代表取締役会長）
休憩　＜12:00～13:00＞
13:00～13:50	「情報戦略への歴史的視界－世界の構造転換の中で」
	講師：寺島 実郎 氏 （財団法人日本総合研究所 理事長、多摩大学 学長、三井物産戦略研究所 会長）
13:50～14:35	「IBMにおける危機管理事例と情報セキュリティー戦略」
	講師：徳田 敏文 氏 （日本アイ・ビー・エム株式会社　経営品質・情報セキュリティ　情報セキュリティ担当部長）
休憩　＜14:35～14:45＞
14:45～16:00	パネルディスカッション　「情報セキュリティー格付制度の意義と、今後の展望」
	パネリスト：　 高田 和彦 氏 （DNP グループ情報セキュリティ委員会　副委員長） （講師略歴） 大日本印刷(株）での「コンピュータを使った電子組版」の企画・開発を契機に、「文字画像情報処理」、「CD-ROM等パッケージメディアによる電子出版」、「Web等ネットワークシステム」の企画・開発に従事。その後、個人情報を大量に扱う「データプリント」や「データ配信」、「セキュリティ製品」の企画・開発、グループ情報セキュリティ本部長を経て、現在、（株）DNP情報システム代表取締役社長。 金子 啓子 氏 (パナソニック 情報セキュリティ本部　本部長) （講師略歴） 1981年4月、松下電器産業株式会社に入社。主に、法務関連の業務経験を経て、2001年より個人情報保護に携わる。2004年1月より情報セキュリティ本部に発足と同時に異動。2007年4月より現職。情報ネットワーク法学会、発起人・会員。 川口 修司 氏 （三菱総合研究所 クラウドセキュリティグループ　主席研究員） （講師略歴） 1966年生まれ。1990年東京工業大学総合理工学研究科修士課程修了。同年(株)三菱総合研究所入社。2003年-2005年経済産業省に出向、情報セキュリティ政策の企画立案を担当。2005年復帰。情報セキュリティ研究部セキュリティ政策チームリーダーを経て、現職。2005年-2006年独立行政法人メディア教育開発センター特任教授を兼任。専門は、情報通信メディアに関する技術･市場・政策。主な著書に『全予測　情報革命』（共著　ダイヤモンド社、1998年）、『デジタルコンテンツ白書』、『データベース白書』、『情報サービス産業白書』、『一橋ビジネスビュー』（東洋経済新報社）（寄稿）などがある。 ※社名50音順 コーディネーター： 三好 眞 氏 （情報セキュリティ格付け制度研究会代表 兼 アイ・エス・レーティング代表取締役社長） （講師略歴） （株）格付投資情報センター・新規事業開発部長、（株）金融工学研究所・常務取締役等を経て現職。これまで経済産業省「情報セキュリティ対策強化促進検討委員会」「情報セキュリティガバナンス研究会」「早期事業再生研究会」等の委員、内閣官房「情報セキュリティを企画・設計段階から確保するための方策に係る検討会」の構成員、早稲田大学大学院ファイナンス研究科・非常勤講師等を務める。東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程卒業（Ph.D.）。